国籍法の解説

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国籍法の解説

その名が示すとおり、帰化とはとりわけ密接な関係にあるのが国籍法です、この国籍法を理解することで帰化申請の理解もより深まると思います、以下に国籍法の歩みを解りやすく解説します。

先ず、日本国民たる要件は日本憲法第10条(国民の要件)に基づき、国籍法で定められています。現国籍法は昭和60年(1985年)1月1日より施行されました。旧憲法(大日本帝国憲法)時代には一般国民をさらに内地人と外地人に区分していました。外地人はさらに、朝鮮人を指す内鮮人や台湾人を指す内台人に細分化されていました。したがって、当時の日本国の国籍は、内地戸籍、内鮮戸籍、内台戸籍の3種類の戸籍が存在していたのです。

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昭和27年(1952年)4月28日午後10時の「サンフランシスコ平和条約の発効」に伴い日本国は歴史的惨禍を経て国連軍に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、韓国(大韓民国)、ならびに、台湾(中華民国)を返還しました。その時点で戸籍は現行憲法のもとに1種類に集約されたのです。

それでは、明治維新とともに創設された国籍法については歴史の変遷とともに幾度となく大きな変遷がありました。時系列で国籍法の変遷を解説します。

国籍法の変遷

国籍法の制定

大政官布告による内外人婚姻条規の発令という、日本で最初に国際結婚に関する国籍法が制定されたのは1873年(明治6年)のことでした。日本人男性の妻となる外国人女性は日本国籍を取得し、外国人男性の妻となる日本人女性は日本国籍を失うというものでした。

国籍法の(第1次)改定

1899年(明治32年)には明治憲法による国籍法が公布されましたが、婚姻については夫の国籍に従うという父系優先血統主義の内外人婚姻条規発令の原則は変わりませんでした。その後、1916年(大正5年)改正で、外国人男性の妻となる日本人女性がその外国籍を得られぬ場合のみ日本国籍は失わないということになりました。

国籍法の(第2次)改定

戦後、1950年(昭和25年)公布されて新憲法の国籍法では、それまでの家制度が廃止され家族全員が同一国籍でなければならないという制限がなくなりました。しかし相変わらず夫系優先血統主義は継続され、日本人女性の配偶者である外国人男性の日本入国や滞在に対して厳しい制限がありました。国籍の確定についても、日本人男性と外国人女性の間に生まれた子は日本人国籍を取得できましたが、外国人男性と日本人女性の子には日本国籍の取得は出来ないという、今ではとても考えられないものでした。

国籍法の(第3次)改定

1984年(昭和60年)に国籍法と戸籍法の一部が改正され1985年に施行、男女の区別なく外国人と日本人の間に生まれた子は日本国籍を取得できるようになりました。その背景には、男女平等の実現を求める内外世論の高まりや諸外国でも父母両系主義に改める国が多くなってきたこと、1984年に批准された「女子差別撤廃条約」などが大きな影響を与えています。

国籍法の(第4次)改定

2008年(平成20年12月12日)、国籍法の一部が改正(平成21年1月1日施行)されました。内容は親の子供に対する(認知)に関することです。

つまり、日本国民の父から認知されていれば、
父母が結婚していなくても
届出によって日本の国籍を取得できるようになりました。
新しい国籍法第3条による国籍取得
■国籍取得の要件
○国籍を取得しようとする方が
・父又は母に認知されていること
20歳未満であること
・日本国民であったことがないこと
出生したときに、認知した父又は母が日本国民であったこと
○認知をした又はが現に(死亡している場合には、死亡した時に)日本国民であること

■届出の方法
本人(15歳未満のときは法定代理人)が届出先に出向き、書面によって届け出ることが必要。

■届出先
○本人が日本に住所を有する場合
住所地を管轄する法務局・地方法務局
○本人が海外に住所を有する場合
日本の大使館又は領事館

経過措置による国籍取得
次の要件に該当する方は、平成24年1月4日までに法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得することができます。

昭和58年1月2日以後に生まれた方で、生まれた時に父が日本人であり、20歳に達するまでその父に認知された方

 

ただし、父が今も(死亡しているときは死亡した時に)日本人であることが必要です。

②平成20年6月4日までに国籍取得の届出をしたが、父母が結婚していなかったため、日本の国籍を取得できなかった方

③②のうち平成14年12月31日までに国籍取得届をしていた方の子
親が経過措置による届出をして日本の国籍を取得した場合に限られます。)

嘘の認知届や国籍取得届をすると処罰されます
嘘の認知届
5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
嘘の国籍取得届
1年以下の懲役又は20万円以下の罰金
市区町村への国籍を取得した旨の届出
5年以下の懲役又は50万円以下の罰金

国籍法と出生

外国人と日本人のあいだに子どもが生まれたからといって、自動的に日本国籍が与えられるとは限りません。生まれた子どもの国籍の決め方は、国によって違います。ここでは子どもが生まれたときに日本国籍を取得する場合を説明いたします。

出生による国籍取得の決め方

 日本の国籍法によれば、出生のときに父または母が日本国籍であれば、その子どもは日本国籍を取得すると定められています。また両親が不明の場合や無国籍の子供も、法律上、日本国籍が与えられます。

日本人母と外国人父の場合

一般的に正式に結婚しているかどうかにかかわらず、母親と子供の血縁関係は明白であるため、子供は母親の日本国籍を取得することになっています。

日本人父と外国人母の場合

この場合の「父」とは正式に結婚した「法律上の父」である必要があります。もし結婚が成立していなければ、子どもは婚外子(非嫡出子)であり、父親との親子関係は認められませんので、父親の日本国籍を与えたいならば、父親が自分から「私の子供である」と法的に認める「認知」という行為が必要になってきます。

認知は子供が母親の胎内にいるときに父親が認める「胎児認知」ならば出生後に日本国籍を取得できます。また出生後の認知であっても子が20歳未満であれば、法務大臣に届け出ることにより、日本国籍を取得できるようになりました。

国籍の選択

日本人夫婦のあいだで生まれた子どもであっても、アメリカなど生地主義を採用する国で生まれた場合に二重国籍になる場合があります。また日本で外国人と日本人のあいだで生まれた子どもも日本国籍を取得すると同時に外国人配偶者の国籍を取得し、二重国籍になることもあります。

本来「人はいずれかの国の国籍を一つのみ有するべき」ことが国籍法の基本姿勢(「国籍唯一の原則」)です。日本の国籍法によれば、二重国籍となった子どもは生まれた日から3ヶ月以内に、在外公館または本籍地の市区町村役場に「出生届」とともに「国籍留保」の届を提出する必要があります。

この届出を怠りますと出生時にさかのぼり子どもの日本国籍は失われることになります。この届により子どもが二重国籍になった場合は、22歳までにいずれかの国籍を選択しなければなりません。国籍の選択を子どもが成人になってから自らの判断で行えるように配慮したものです。

22歳までに日本の国籍を選択しないものに対し法務大臣は書面により催告することができ、催告を受けた日より1ヶ月以内に日本の国籍を選択しなければ日本の国籍を失うこととされています。

20歳に達した後の国籍選択

 二重国籍者の国籍選択の問題は出生だけでなく、結婚により二重国籍となった場合にも発生します。20歳に達したあと二重国籍となった場合はその時から2年以内にいずれの国籍にするか選択しなければなりません。

国籍の再取得

 国籍保留の届出をせずに日本国籍を失った場合でも、20歳未満かつ日本に住所地がある場合は、住所地を管轄する法務局に届けることにより日本国籍を再取得することができます。帰化と同じように自らの意思による日本国籍の取得とみなされますので、出生時に取得した外国国籍が自動的に喪失することがありますのでご注意ください。

国籍の喪失届

 出生により二重国籍になった子どもなどが、外国籍の選択、国籍の不選択、日本国籍の離脱などにより日本国籍を喪失する場合は、その者を戸籍より除くために法務局に対し国籍の喪失届を提出します。

届出義務者は本人およびその配偶者、四親等内の親族であり、国籍喪失の事実を知った日より1ヶ月以内に提出します。ただし届出義務者がその事実を知った日に国外にいる場合はその日から3ヶ月以内に届出します。日本国籍を失った日から60日以上日本に在留する予定の方は、喪失日より30日以内にお近くの入国管理局で在留資格取得の申請を行ってください。

重国籍者の帰国とパスポ-ト

では、アメリカなど生地主義国で生まれた重国籍の子が日本に帰国するとき、どちらの国の旅券を使用すればよいのでしょうか?

国際法の基本的考えとして、日本国籍を有している二(多)重国籍者は、日本政府より日本人として処遇されますので、日本に帰化するに当たり日本の国籍を証する書類、旅券や戸籍謄本の提示が必要です(出入国管理及び難民認定法第61条)。

外国に住む重国籍者は通常現地の日本大使館で旅券を申請、取得してから日本に帰国することができます。旅券や戸籍謄本の日本国籍を証する文書を所持していない場合は、外国人として上陸手続きを受けなければなりません。

ですから通常の外国人と同じように在留資格や在留期間が与えられることになります。このように外国人として入国したといっても、日本国籍を有する日本人ですので、入国してから入国管理局に戸籍謄本等を提出して在留資格の抹消手続きを行うことができます。

一方、重国籍者としての日本人が日本を出国する場合は、必ず日本のパスポ-トを所持し入国審査官より出国の確認を受けなければいけません(出入国管理及び難民認定法第60条1項)。

〔出入国管理及び難民認定法〕
第60条、本邦外の地域に赴く意図をもつて出国する日本人(乗員を除く。)は有効な旅券を所持し、その者が出国する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から出国の確認を受けなければならない。
2 前項の日本人は、出国の確認を受けなければ出国してはならない。
第61条 本邦外の地域から本邦に帰国する日本人(乗員を除く。)は、有効な旅券(有効な旅券を所持することができないときは、日本の国籍を有することを証する文書)を所持し、その者が上陸する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から帰国の確認を受けなければならない。

国籍法の5つのポイント

国籍法の要点は次の5つです。

(1)国籍とは、一定の国家の構成員(所属員)である資格をいう。

(2)個人が、国籍を取得し、または喪失することの要件は、その国の国法または条約によって定められている。

(3)国籍の取得には先天的取得と後天的取得がある。

(4)国籍の留保制度は、国外で出生した血統による二重国籍者にも適用される。(国籍法十二条、十七条一項)

(5)国籍の選択制度

二重国籍者は成年に達した後、所定期間内にいずれかの国籍を選択しなければならない。

(国籍法十一条二項、十四条)、十五条、十六条、十七条二項)

 

先天的取得と後天的取得

このなかで特に帰化許可申請に大きくかかわってくるのは、上述(3)の「国籍の取得には先天的取得と後天的取得がある」です。先天的取得と後天的取得の定義は次のとおりです。

①先天的取得

(ア)出生による国籍の取得(国籍法二条各項)= 父母両系血統主義を採用

(イ)準正による国籍の取得(国籍法三条一項、二項)= 届出による国籍取得の制度が新設された。

後天的取得

日本国民でない者(以下「外国人」の帰化による国籍の取得(国籍法四条一項)。

帰化をするには、法務大臣の自由裁量による許可を得なければなりません(国籍法四条二項)。つまり、法務大臣の個別的許可に基づき、自己の自由意志で日本国籍を取得すること、すなわち帰化することを後天的取得と言います。

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