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帰化の種類

国籍法における帰化には3種類ある

国籍法には帰化の種類と要件も定義されています。第5条から第9条において、次の3つに規定されています。

  1. 普通帰化(国籍法第五条)
  2. 簡易帰化 = 特別帰化(国籍法六条、七条、八条)
  3. 大帰化(国籍法九条)

この3つの違いを分けるものは、「帰化の要件」です。

 帰化許可は法務大臣の自由裁量に委ねられ、許可と不許可の決定がなされますが、国籍法第五条に「法務大臣は、次の要件を備える外国人でなければ、その帰化を許可できない」と規定されています。     

 その条件には7つあり、それらについては事項及び各項目で詳細を述べますが、基本的にはこの7つの条件をすべて満たしたケ-スが普通帰化と呼ばれています。

  また、国籍法六条~九条においては、申請者の個々の環境によって条件が緩和されるケ-スについて規定されています。六条から八条の緩和された条件で帰化許可申請する場合を簡易帰化(特別帰化)と言い、九条が適用される場合を大帰化と言います。

普通帰化

20歳以上で5年以上日本に住んでいる人が対象

  • 基本となる7要件を確認しよう

 普通帰化は両親が外国人である場合にあてはまるケ-スです、その要件は次のとおりです。

①住居要件

引き続き5年以上日本に住所を有すること

② 能力要件

20歳以上で本国法によって能力を有すること

③ 素行要件

素行が善良であること

④生計要件

自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産または技能によって生計を営むことができること

⑤喪失要件

国籍を有せず、または日本の国籍の取得によって元の国籍を失うべきこと

⑥思想要件

日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、もしくは主張し、またはこれを企て、もしくは主張する政党その他の団体を結成し、もしくはこれに加入したことがないこと(以上国籍法第五条)

⑦日本語の読み書きができること

※普通帰化の項目ごとの具体的解説は、帰化の要件をご参照下さい。

簡易帰化

あきらめることはない、20歳未満でも可能な帰化

個々の環境が考慮され、条件が緩和される

 簡易帰化は、申請者の個々の環境に配慮し、普通帰化よりも条件が緩和(ゆるやかに)されています。たとえば、前項の普通帰化に記した② 能力要件の要件ですが、「20歳以上であること」という文言だけ見ると、20歳未満の者は帰化許可申請が不可能であるかのように思われます。

 しかし、「日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住んでいて、縁組のときに本国で未成年であった人」や「日本国民の配偶者である外国人で引き続き3年以上日本に住所があり、現在日本に住んでいる人」などは、簡易帰化を適用することによって能力要件が緩和され、帰化許可申請が可能になるのです。この他にも住所要件や生計要件が緩和されるケ-スがあります。

※簡易帰化の具体的解説は、簡易帰化制度(帰化条件の緩和)をご参照下さい。

大帰化

日本国に対する功労者にプレゼントされる帰化

いまだに例なし

旧法(昭和25年以前の国籍法)以来、日本において特別の功労のある外国人については、いわゆる帰化要件(国籍法五条)を備えていないケ-スであっても法務大臣が国会の承認を得て、その帰化を許可する特例があります。そのような帰化を大帰化と言います。

  帰化の条件は、その国の歴史的、地理的事情、人口政策、労働政策などによって、国ごとにそれぞれ異なりますが、特別の功労を条件として帰化を許可する大帰化の制度を認めている国は世界でも少なくありません。大帰化も、帰化許可申請を必要とし、帰化の効力が官報に告示された日から生じるなどの点においては一般の帰化の場合と同じです。特筆すべきは2017年現在、大帰化の前例がないということです。今後が期待されます。

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